鉄道員(ぽっぽや) ~不器用な男の生き方~
「鉄道員 ~ぽっぽや~」
~不器用な男の生き方~
多くを語らないただ実直に、己の信じた生き方を全うする昭和の男の代名詞といえば
この俳優さん以外いないんじゃないのかな~と思える役者さん・・・
そうこの人『高倉健』さん
そして健さん、コレ演技じゃなくそのまんまの性格じゃないのかな~と思える役柄
それがこの「鉄道員~ぽっぽや~」の主人公『佐藤乙松』
今回は、そんな一本気で不器用な生きかたしか出来ない男のものがたり
「鉄道員~ぽっぽや~」について、書いていきます。
もくじ
1、タイトル 評価
2、概要
3、登場人物
4、あらすじ
5、名シーン
6、感想
7、この映画・・・こんな人にオススメ
1、「鉄道員~ぽっぽや~」
評価:★★☆☆☆
ジャンル:邦画 ヒューマンドラマ
2、概要
浅田次郎の短編小説の映画化作品
公開日:1999年6月5日
原作:浅田次郎
監督:降旗康男
撮影:木村大作
音楽:国吉良一
上映時間:112分
キャスト:
高倉健(佐藤乙松) 大竹しのぶ(佐藤静枝) 広末涼子(セーラー服の少女)
小林稔侍(杉浦仙次) 田中好子(杉浦朋子) 吉岡秀隆(杉浦秀男)
奈良岡朋子(加藤ムネ) 安藤政信(加藤敏行)志村けん(吉岡肇)
3、登場人物
(佐藤乙松)
定年間近の北海道のにある廃止寸前のローカル線の終着駅・幌舞駅(ほろまいえき)の駅長
妻と娘に先立たれ、今は幌舞駅の駅舎でひとりで暮らしていた
とても不器用な性格で、鉄道員しかしてこなかったので他の生き方を考えたこともない
(佐藤静枝)
乙松の妻
結婚17年目にして、やっと子供を授かり高齢出産で娘を産む
娘の死後、病気になり長い闘病生活のすえ乙松より先に亡くなってしまう
最後まで、不器用な生き方しか出来ない乙松の事を心配していた
(セーラー服の少女)
乙松の元に突如現れた鉄道好きな少女
(杉浦仙次)
乙松の機関士見習いの頃からの親友
定年間近の美寄駅駅長
定年後は、近々出来るリゾートホテルの重役という再就職が決まっており
乙松もリゾートホテルで再就職出来るように頼んでおり、乙松を説得しようと正月のあいさつを理由に幌舞駅に訪れる
(杉浦朋子)
仙次の妻で、乙松や静枝とも家族で付き合いがある
(杉浦秀男)
仙次の息子で、今はJRの幹部のポジションにいる
乙松が定年後にも、鉄道関係の仕事に就ける様に便宜を図ろうとしているが上手くいっていない
(加藤ムネ)
幌舞駅の目の前にある「だるま食堂」の店主
炭鉱が閉山となり、町の人口が減った為
今ではお客が日に3人しか訪れない為、店をたたもうと考えている
敏行の義母
(加藤敏行)
ムネの義理の息子
イタリアに料理の修行に行き、帰国後
北海道の中心街に、義母と一緒にイタリア料理のお店を出そうと今は準備中
(吉岡肇)
筑豊から息子と二人で幌舞に仕事を求めてやって来た炭鉱夫
来たばかりなのに、もうすぐ炭鉱が閉山になると聞いて「だるま食堂」で酔いつぶれ
地元の炭鉱夫と喧嘩になっているところを乙松と仙次に仲裁に入ってもらう。
4、あらすじ
主人公の佐藤乙松(さとう おとまつ)は、北海道にある廃止寸前のローカル線「幌舞線(ほろまいせん)」の終着駅の駅長である。
鉄道員一筋に生きてきた彼も定年退職の歳を迎えようとしていた。
彼は生まれたばかりの一人娘を病気で失い、また妻にも先立たれ、孤独な生活を送っていた。
雪の正月、彼のもとに少女が現れ人形を忘れて帰る。
彼女の来訪は、彼に訪れた優しい奇蹟のはじまりだった・・・
5、名シーン
「鉄道員~ぽっぽや~」の名シーンは・・・
亡くなってからの年月の成長を見せようと自分の前に現れた娘の幻影と会話をするシーンです。
「幌舞線がなくなったら、どうなるの?」
「線路も駅舎もなくなるって・・・」と聞く娘
「アッと言う間に、原野に戻るさ…そして、鉄道があったことも忘れてしまう…」
「さびしい?」
「後悔はしてないよ どうすることも出来ないだけだ…」
と淋しがる父に娘は答える
「思い出が残る 楽しかった思い出が」と鉄道一筋の父の人生はムダではなかったと言い聞かせるように・・・
その後、娘が作った鍋を食べた乙松が
言葉を失い、こう娘に話しかけます
「なんだか胸が、いっぱいになっちまった・・・俺はしあわせ者だ」
「好き勝手なことばっかして、嫁さんと娘も亡くしちまうしよ」
「それなのに、みんな良くしてくれて・・・本当にしあわせもんだ!」
「本当に?」と聞く娘
「ああ、本当だとも・・・もう、いつ死んでもいいくらいだ!」
まるで鉄道だけの自分の人生を振り返るように・・・
6、感想
この「佐藤乙松」という役柄、高倉健の実生活そのまんまの性格じゃないのかと思うほど・・・まぁ、高倉健にベストマッチした役柄でした。
高倉健以外の俳優が演じていたら、きっと話題作にもならなかったと思えるしこんなに素敵な作品にはなってなかったと思います。
家族に迷惑をかけても、愚直に鉄道員という仕事を全うした定年退職最後の日
何度、雪の降る空を見上げ男は家族のことを思い出すのでしょう・・・
愚直にただまっすぐに線路のように曲がることの出来ない哀愁ただよう男の人生
皆さんもぜひ、鑑賞してみてください。
余談ですが、先日亡くなられた「志村けん」さんも出演されていて
妻に逃げられ筑豊から炭鉱の仕事を求め、息子とやってきた炭鉱夫を演じています。
やり場のない怒りや酔っ払いの演技をされていますが、とっても演技が上手で見入ってしまいました。
この今は亡き偉大な二人の「ケンさん」の演技を観るだけでも、価値のある一本です。
いやー、いつまでも男って子供っぽくって不器用なんですね(^^)
7、この映画・・・こんな人にオススメ
- ご年配のかた
- 仕事一筋で頑張ってきたひと
- 家族のことをかえりみず、仕事に打ち込んできたことを後悔しているひと