鑑賞日和

本や映画ドラマなどの感想をぼちぼちと

「星守る犬」 ~誰もが皆、星守る犬~

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星守る犬

~誰もが皆、星守る犬

 

星守る犬」とは。。。決して手に入らない星をずっーーーと眺めている犬のこと

これ「高望みをするひと」を表す例えに使う言葉なんだって

 

「へー、そうなんだ…ずっーーーと手に入らないもの眺めていても、時間のムダじゃん」

「それなら、もっとなんかアレコレしてた方が得だろーに」と考えてしまう私は…

きっとこの映画の主人公の様に「どうせ、叶わないんだから…やるだけムダさ」と自分の殻に閉じこもってしまうタイプの人間なんだ

 

生きるってことは、所詮ムダだらけ

手に入らないモノとわかっていても、眺め続ける「希望」があるからひとは前に進める

 

今回は、そんな希望を忘れた大人たちにこそ観てほしい映画「星守る犬」をご紹介したいと思います!

ネタバレを一部含みますので、まっさらな状態で観たい方は読むのをお控えください

 

それでは書いていきます!

 

 

もくじ

1、タイトル 評価

2、概要

3、登場人物

4、あらすじ

5、名シーン

6、感想

7、この映画・・・こんな人にオススメ!

 

 

1、「星守る犬

評価:★★★★☆

ジャンル:邦画 動物ドラマ

 

 

2、概要

村上たかし原作の日本漫画を映画化した作品

 

公開日:2011年6月11日

作者:村上たかし

監督:瀧本智行

脚本:橋本裕志

撮影:浜田毅

音楽:稲本響

主題歌:平井堅「夢の向こうで」

上映時間:128分

 

キャスト:

玉山鉄二(奥津京介)西田敏行(お父さん) 川村有希(川島海荷

岸本加世子(お母さん) 藤竜也(奥津京介の祖父) 余貴美子(旅館の女将)

温水洋一(リサイクルショップ店長・富田) 濱田マリ(富田の妻)

中村獅童(コンビニ店長)山崎樹範(市役所職員)塩見三省(福祉課の課長)

三浦友和(レストランのオーナー)

 

 

 3、登場人物

奥津京介

北海道の市職員(福祉総務課)

9歳で両親を交通事故で亡くし、北海道にいる祖父母に育てられた

毎週5冊本を読むのが習慣となっている

愛車は祖父が乗っていたオンボロのビートル

人が苦手で「どんな人生も言葉にすれば、図書館に並ぶ本と一緒」という考えを持っている

 

お父さん

放置車両の中から見つかった死後半年ほど経つ無縁仏

 

川村有希

東京で京介の乗る旭川ナンバーの車を見つけ、ヒッチハイクし同乗してくる女の子

 

お母さん

お父さんの妻 娘が一人いる

 

京介の祖父

星守る犬」の話を京介に教えてくれた

 

旅館の女将

お父さんが犬の「ハッピー」と泊まった旅館の女将

お父さんの事を迷惑なお客だと記憶

 

リサイクルショップ店長 富田

お父さんが犬の「ハッピー」と立ち寄った店の店長

困っているお父さんを不憫に思って助ける優しい人柄

 

コンビニ店長

お父さんが犬の「ハッピー」と立ち寄ったコンビニの店長

息子が一人

お人よしのお父さんが、気になる

 

レストランのオーナー

お父さんが犬の「はっぴー」と立ち寄ったレストランのオーナー

犬を昔飼っており、また飼いたいとは思っているがキッカケを掴めないでいる

なにかタダならぬ雰囲気を持っていたお父さんが気になっていた

 

 

4、あらすじ

夏の北海道。山中に放置されていたワゴン車から、死後半年ほど経った中年男性の白骨死体が発見された。

なぜか遺体の傍らには、つい最近なくなったであろう白い秋田犬の死骸も一緒にあった。

何ひとつ、身元を証明できるものを持ち合わせていないこの遺体は、無縁仏として処理されることとなる。

 

遺体の埋葬処理を請け負った地元市役所の福祉課に勤める青年「奥津京介」は、遺体の傍らで死んでいた犬の話を聞き、昔飼っていた犬の事を思い出していた…

京介は小さい頃に両親を亡くし、引き取られた先の祖父母も亡くし今は一人暮らし

大切なひとを立て続けに亡くした京介は、いつしか心にフタをし人との関わりを極力避け「本の世界」に逃げむようになっていた。

 

何故、この男性は知らないこんな場所で、死ななければならなかったのか?

何故、この男性はこんなにも、自分の身元を隠す必要があったのか?

そして、どうしてこの犬は、どこにもでも行けたハズなのに死ぬ間際にこの場所に帰って来たのか?

 

こんなにもこの犬に愛されていた、この男性に興味を持った京介は何かに導かれるように、残された手掛かりから死んだ男性の足取りを辿る・・・

 

 

5、名シーン(※ここから、ネタバレを一部含みます)

 

ただ平凡に家族と共に幸せに暮らして、生きたかったお父さん

相手を尊重しすぎるあまり、自分が追い詰められていく・・・

それでも、小さな希望を持って生きようとしたお父さん

何もかもを失い、ひとりぽっちのお父さん

だけど、傍らにはいつもハッピーがいてくれた

自分の死期を悟ったお父さん、いつでも何かしら希望があると気丈に振舞っていましたがハッピーもいない、ひとりぽっちの車内で、むせび泣きながら初めて弱音を吐きます

 

「こわいよぉ・・・ハッピー・・・死にたくないよぉ・・・ハッピー・・・」

 

そして、この歌を歌います

「しあわせは、歩いてこないだから歩いて行くんだよぉ一日一歩、三日で三歩三歩進んで、二歩さがる・・・」

「人生はワンツーパンチ、汗かきベソかき歩こうよあなたのつけた足跡にゃきれいな花が咲くでしょう」

「腕をふって足をあげて、ワン・ツーワン・ツー休まないで歩けぇそれっ」

「ワン・ツー ワン・ツー ワン・ツーワン・ツー・・・」(365歩のマーチ)

 

この声に合わせて、ハッピーがお父さんに食べさせるモノはないかと雪の中を足跡をつけながら歩くシーンです

 

お父さんもハッピーも、最後まで小さな希望を捨てずに生きる姿が、とても印象的でした。

昔、飼っていた二階で寝る祖母が起きて降りて来るのを階段の下で、ひたすら待ち続けていたのをこの映画を観て思い出しました。

ホントに犬って、いつまでもそばに寄り添ってくれる愛くるしい存在ですよね・・・

 

 

6、感想

何もかも失い、ひとりぽっちになったお父さんにも、ハッピーいました。

ハッピーにも、お父さんがいました。

お父さんやハッピーの人生には「かわいそう」というひとことでは、片付けられない素晴らし時間があったんです。

お互いを愛し、いつまでも寄り添う姿があったんです。

 

生きてるものはみんな、どこかではじまり、どこかで終わります。

それは、犬も人間も関係ありません。

いつか終わるその時まで、希望を捨てず叶わぬものを望み続けること

それだけで生きていける。

「誰も皆、星守る犬なのだから・・・」

そんな事を感じた映画でした

 

 

7、この映画・・・こんな人にオススメ!

  • これから、動物を飼おうと思っているひと
  • 動物好きなひと(※演出上 犬を傷つけるシーンがあるので、それを観たくないひとにはむかない)
  • 動物を飼っていて、もっと一緒の時間を大切にしておけばよかったと後悔のあるひと
  • 孤独を感じてるひと

 

 

星守る犬

星守る犬

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video