鑑賞日和

本や映画ドラマなどの感想をぼちぼちと

「あの頃」~忘れたくない日々~

 

 「あの頃」

~忘れたくない日々~

 

皆さんは、キラキラ輝いていた想い出の日々はありますか?

僕には、あります!

"あの頃”に戻りたいな~なんて、思う事もシバシバあります。笑

 

誰にでもあるキラキラ輝いた日々、もう一度戻ってみたいと思える日々・・・

そんな日々を思い出すような映画

「あの頃」

それでは書いていきます!

 

 

もくじ

1、タイトル 評価

2、概要

3、主要な登場人物

4、あらすじ

5、この映画の見所

6、感想

 

 

1、「あの頃」

評価:★★★☆☆

ジャンル:ヒューマンドラマ

 

 

2、概要

劔樹人の自伝的青春コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』を原作にした映画

 

上映日:2021年2月19日

原作:劔樹人

監督:今泉力哉

脚本:富永昌敬

撮影:岩永洋

音楽:長谷川白紙

上映時間:117分

 

主要キャスト:

松坂桃李劔樹人) 仲野太賀(コズミン) 山中崇(ロビ) 若葉竜也(西野)

芹澤興人(ナカウチ) コカドケンタロウ(イトウ)

 

 

3、主要な登場人物

劔樹人

バイトに明け暮れバンド活動を唯一の楽しみに過ごしていたが、思うように上達せずバンド仲間から叱責され落ち込んだある日。

友達から貰った一本のDVDの”松浦亜弥”に、心奪われハロープロジェクトにどっぷりハマっていってしまう大学生。

 

コズミン:

劔のオタク仲間。

プライドが高くひねくれ者。

Web上のブログや電子掲示板などでは居丈高な調子を見せるが、実生活ではおとなしく、小心者であるような人物(ネット弁慶

 

ロビ:

劔のオタク仲間。 石川梨華推しでリーダー格。

 

西野:

劔のオタク仲間。 イタ車や自分でヲタグッズを製作する。

 

ナカウチ:

劔のオタク仲間。 

CDショップの店員で劔に声をかけイベントで、オタク仲間と繋げてくれた。

 

イトウ:

劔のオタク仲間。

ハロプロ全般を押しており、自宅がオタク仲間の溜まり場になっている。

 

 

4、あらすじ

バイト活動に明け暮れ、唯一の楽しみはベースを弾く事。

好きで始めたはずのバンド活動もままならず、楽しいことなどなくウダツの上がらない日々を送っていた劔樹人

そんな様子を心配した大学の友人から、ある日パチンコで当たった景品「松浦亜弥のDVD」を貰うことに

 

何気なしにDVDを鑑賞する劔、そこに映る”松浦亜弥”の圧倒的なアイドルとしての輝きに劔は涙を抑えることが出来ずにいた。

すぐさま家を飛び出し向かったCDショップで、”ハロープロジェクト”に彩られたコーナーを物色しているところをCDショップ店員のナカウチに声を掛けられ、手渡されたハロープロジェクトのファン達が集うトークイベント告知のチラシ。

この一枚のチラシが、劔の人生を大きく変えていく・・・

 

 

5、この映画の見所(※ここからネタバレを一部含みます)

 

①「コズミンという男」

劔のオタク仲間のコズミン、プライドが高くひねくれ者。

周りの人を少し下に見てマウントを取るような発言や、色々とトラブルを起こすオタク仲間の中の問題児。

そんな問題児だけどどこか人間味があり憎めない男が、この映画にとっての良いスパイスとなっています。

そんな独特な男の役を個性派俳優の仲野太賀が上手に演じています。

劔と共に、もう一人の主役と言えるコズミンにも期待して観てみてください。

 

②「劔にとっての最高の仲間たちと過ごす時間」

ナカウチに誘われて行ったトークイベントで、出会えた同じ志を持つオタク仲間。

しょうもない事でも笑いあえて、一緒にいると落ち着く。

同じ好きなものを一緒に追いかける日々は”かけがえのない時間”で、時が経てばキラキラ輝く”あの頃”に変わります。

そんな日々を淡々とただ淡々とこの映画は、描いています。

その淡々とした日常が、あとになって大切な時間だったのだと気付いた時・・・

現在の生活とのコントラストとして、上手に響いてきます。

 

③「卒業」

映画の途中で、「モーニング娘。」の石川梨華卒業コンサートが描かれます。

何かが始まればいつかは、終わりがやってきて・・・また新しい何かが始まる。

 

オタク仲間にも、それぞれハロプロと同じ位に大切なものが見つかり”卒業”という区切りを迎えます。

過去があって現在の自分があり、色々な経験を経て現在の性格が作られる。

そんな一人の人生の区切りを見れる気がします。

 

 

6、感想

実在する劔樹人さんの若い頃の実体験をベースに制作された映画ですので、良くも悪くも日々の日常が淡々と描かれた映画です。

人間の心情や機微を描かれた映画ですので、派手さやエンターテインメント性を求める人には向かない映画かなと思います。

派手さを求めるハリウッド映画好きの人より、芸術性があるフランス映画が好きな人にオススメな映画です。

 

今回の映画を鑑賞しての感想は「過去の”あの頃”があったから、今現在の自分があるのだから、”あの頃”の自分に負けないように今を一生懸命に生きよう」です。

 

あるシーンで、コズミンが劔に話しかけます。

 

コズミン:「なに泣いてんねん、アホやな~」

 

劔:「ちょっと、思いだしちゃって・・・」

 

コズミン:

「”あの頃”おもろかったな~」

「でも、今泣いてる自分もおもろいんやないん?」

 

気心の知れた仲間との楽しかった日々。

懐かしくキラキラした”あの頃”に、戻りたいと思うものですが・・・

劔は決して「戻りたい」とは、口にしません。

誰に聞かれても「今が一番楽しい!」と答えます。

 

それは、きっと今が”あの頃”より輝いていないと

キラキラ輝いた”あの頃”に失礼だし、ムダになってしまうからだと考えての発言だと私は解釈しました。

 

キラキラ輝いた”あの頃”は、”あの頃”のまま

今がいつかの”あの頃”になるように、生きていこうと思える映画です。