「花束みたいな恋をした」~枯らしたくはなかった花束~
「花束みたいな恋をした」
~枯らしたくはなかった花束~
こんにちは!
皆さんは、どういった人を好きになりますか?
自分と価値観が一緒の人、あまり干渉してこない人、一緒にいて落ち着き本来の自分でいれる人、自分にはない尊敬できる所を持っている人・・・
色々あると思います。
趣味も考え方も似ている”合わせ鏡”のような二人の恋物語。
皆さんにも、きっとある”忘れられない恋”をきっと思い出す映画
「花束みたいな恋をした」
それでは書いていきます!
※ネタバレを一部含みますので、ネタバレがイヤな方は一度視聴してから読んで頂くと幸せます。
もくじ
1、タイトル 評価
2、概要
3、主要な登場人物
4、あらすじ
5、名シーン
6、この映画のみどころ
7、この映画・・・こんな人にオススメ!
1、「花束みたいな恋をした」
評価:★★★★☆
ジャンル:恋愛
2、概要
2021年公開、 脚本家・坂元裕二のオリジナル脚本による恋愛映画。
公開日:2021年1月29日
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
撮影:鎌苅洋一
音楽:大友良英
インスパイアソング:「勿忘」Awesome City Club
主要なキャスト:
細田佳央太(水埜亘) 清原果耶(羽田凛)
3、主要な登場人物
山音麦:
将来は絵を描く仕事に就きたいと考えている大学生
これといった才能や特徴も持っておらず、漫然と生活している。
偶然の出会いをキッカケに、同じ趣味や考え方を持つ絹と恋に落ちる。
八谷絹:
趣味は、映画や小説、マンガ
しかも、多くの人達が選ばないようなマニアックなものを選ぶ
サブカル女子。
偶然の出会いをキッカケに、同じ趣味や考え方を持つ麦と恋に落ちる。
水埜亘:
麦たちが別れ話をしていたファミレスに、入ってきた若いカップルの男子。
羽田凛:
麦たちが別れ話をしていたファミレスに、はいってきたカップルの女子。
加持航平:
絹が転職した先のイベント会社の社長。
山根広太郎:麦の父親。
八谷芳明:絹の父親。
八谷早智子:絹の母親。
4、あらすじ
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った山音麦と八谷絹。
好きな音楽や映画が、嘘みたいに一緒で”合わせ鏡”のような二人は、当然のように”恋”に落ちて付き合うことに・・・
大学を卒業しても将来を決め切れぬ二人は、フリーターをしながら最寄りの駅から30分かかる多摩川が臨める部屋で同棲生活を始める。
近所に見つけた老夫婦が営むパン屋、駅から30分かかる家までの道のりを二人でコーヒーを飲みながら歩く帰り道、拾ってきた猫に二人で名前を付けて一緒に過ごす眩いほどの日々。
そんな二人の日々を守る為、そして現状維持を目標に二人は就職活動を始めるのだが・・・
5、この映画の名シーン(※ここからネタバレを含みます。)
5年近く付き合い過ごした麦と絹。
二人でいても”何も感じない”
喧嘩することさえなくなった・・・
友人の結婚式。
この日、二人はお互いに”別れること”を決意する。
観覧車・カラオケ・ファミレス
ふたりは、付き合いたての頃を思い出すように別れの日を過ごす。
なかなか別れのセリフを告げることの出来ない麦。
「ありがとね」の言葉と共に、淡々と別れる為のこれからのことを話す絹に
麦は「別れずにこのまま結婚しよう」と説得を始める。
”結婚したら・・・家族だったら・・・”
無理やり自分の気持ちを納得させようとするふたりの前に
付き合う前の頃の自分達のような一組のカップルがあらわれて。。。
”もうあの頃の二人には戻れない”と気付いた二人の瞳には、ただ止めどなく涙が流れ
「そうしてふたりは、別れた」
この最後のふたりの別れのシーンが、今回の映画の名シーンです。
長く付き合えば、付き合うほど、一緒にいる事が当たり前になってしまい
居なくなることが想像出来なくなって、なかなか別れを選べなくなります。
二人が”別れ”を選べたのは、お互いがお互いを想えばこそだったと私は思います。
このシーンは、そういった二人の気持ちをよく表しているシーンだと思います。
6、この映画のみどころ
この映画のみどころを三つ
①「付き合う前のドキドキ感」
別々の大学・住む地域も違う。
出会う接点のないふたりが、終電に乗り遅れたことで偶然にも出会い。
”押井守”を知っていたという事で、意気投合。
話せば話すほど、お互いの共通点が一緒な事にビックリします。
何度かのデートを重ねて、ふたりは付き合うことになるのですが・・・
「相手は自分のことをどう思っているのだろう?」
「今日こそ、告白するぞ」
付き合う前のドキドキ感を
きっと自分の恋愛と重ね合わせて、観てしまうことでしょう。
②「男は現実を女は、夢を追いかけて」
「男は夢を追いかけて、女は現実を見つめる」
とは、よく聞く格言ですが・・・
麦と絹は、逆パターン
出会った当時は、イラストレーターになるという夢を持っていた麦ですが
”ふたりの生活”を続けたいくためにと就職を決め、絵を描くことも、本を読むことも
映画を観たり、ゲームを楽しむこともやめてしまいます。
ただ生活していく為だけの仕事、でも絹との生活を守る為だと身を粉にして働く毎日
一方、絹は資格を取りやっと就職出来た事務の仕事を辞め。
自分がやりたいと思えるイベント関係の仕事に再就職を決めます。
”好きなことをいかす”という考えを「人生なめてる」としか思えなくなった麦
”やりたくないことを無理してまでしたくない”と考える絹
現実と向き合わなければ、生活は維持できないし
生きがいのない人生は、なんの為の人生なのかわからない・・・
ふたりに価値観のズレが生まれ、溝がどんどん深まっていく
現実と夢の間に、立っているんだなと考えさせられます。
③「花束みたいな恋をした」
花屋で一緒に、同じ趣味の花束を買い。
家のテーブルに飾った。
ふたりで一緒に眺めていたが
男は、枯らすまいと毎日水を与える事に必死になり
もう花が、枯れていることにも気付かない・・・
女は、枯れ切ってしまう前に
その花をドライフラワーにした。
ドライフラワーを見るたびに、きっとふたりは
ふたりで一緒に観たあの生きた花束を思い出す。
価値観が一緒で、一緒にいて心地良いから二人でいたのに
価値観にズレが生じ始めると一緒にいることが、苦痛になっていく
きっとあなたも、この映画を観ることで
過去の恋人と一緒に見た”花束みたいな恋”を思い出すことでしょう。。。
ぜひ鑑賞してみてください。
7、この映画・・・こんな人にオススメ!
- 昔の恋を思い出したいひと
- 現実と夢の間でもがいているひと
- こういう別れもあるのだと教訓にしたいひと