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「コインロッカーの女」~生まれた時からの運命~

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「コインロッカーの女」

~生まれた時からの運命~

 

こんにちは!

今回は、コインロッカーベイビーの物語

鉄道駅などに設置されているコインロッカーに遺棄された新生児のことを「コインロッカーベイビー」と言います。

 

悲しいことに、1973年に前後して日本国内で同時多発的に発生し社会問題にもなった事件から着想を得た映画のようです。

 

捨てた側の匿名性が高く、異変に気付いても第三者が中を改めにくい・・・

このため、発見は「異臭がする」などすでに死亡してることも少なくないそうです。

 

誰からも、望まれず産まれてきた子供…なんとも悲しすぎます。。。。

 

コインロッカーで、ホームレスに拾われた赤子名前は「イリョン」

コインロッカーの10番に入っていたので「10番(イリョン)」

そんな産まれた時からの悲しい運命に、苦しむ女の物語

 

それでは、書いていきます!

※ネタバレを一部含みますので、ネタバレがイヤな方は一度視聴してから読んで頂くと幸せます。

 ※バイオレンスなシーンもあるので、そいうのが苦手なひとは不向き

 

もくじ

1、タイトル 評価

2、概要

3、登場人物

4、あらすじ

5、名シーン

6、感想

7、この映画・・・こんな人にオススメ!

 

 

1、「コインロッカーの女」

評価:★★★☆☆

ジャンル:サスペンス(クライム)

 

 

2、概要

 

2015年公開の監督・脚本ハン・ジュニの長編映画。(初監督作品)

 

公開日:2016年2月16日(日本)

監督:ハン・ジュニ

脚本:ハン・ジュニ

撮影:イ・チャンジェ

音楽:チャン・ヨンギュ キム・ソン

上映時間:110分

 

キャスト:

キム・ヘス(マ・ウヒ) 

キム・ゴウン(イリョン) キム・スアン(幼少期のイリョン) 

オム・テグ(ウゴン)  ウィ・ハジュン(幼少期のイリョン)

パク・ボゴム(パク・ソッキョン) コ・ギョンピョ(チド)

イ・スギョン(ソン) パク・ジソ(幼少期のソン)

チョ・ヒョンチョル(ホンジュ) ソ・サンソプ(幼少期のホンジュ)

 

 

3、登場人物

 マ・ウヒ:

表の顔は、写真館の店主だが裏では足のつかない孤児などを使い

不法入国や闇金、そして不渡りをだしたら殺して臓器を売りさばくといった闇の組織の元締め

政治家や警察とも繋がりがあり、裏社会では有名な女

関わるものは皆、畏怖と尊敬を込め「母さん」と呼ぶ

孤児であるイリョンを引き取り育てる

 

イリョン:

赤子の時、コインロッカーでホームレスに拾われマ・ウヒに出会うまで、鉄道駅でホームレス生活を送っていた

名前は、見つかったコインロッカーの番号10番(イリョン)

マ・ウヒに出会い家族のような生活を一緒に過ごす

 

 

ウ・ゴン:

マ・ウヒ家族の長兄にあたる存在

マ・ウヒからの信頼も厚い

偽の家族の繋がりではあるが、イリョンなどを本当の家族のように可愛がっている

寡黙

 

 

パク・ボゴム:

マ・ウヒに金を借りた債務者の息子

債務者本人は外国におり、韓国に父の帰りを待ちながらフランス料理屋でバイトをしながら、生計を立てている

純粋で疑う事をしらず、債権者にも家にあげ食事を振舞うような好青年

夢はフランスに行き料理の勉強をすること

 

チド:

元マ・ウヒの家族で、今は独立してクラブを経営している

マ・ウヒや家族のことを疎ましく思っている

 

ソン:

マ・ウヒの家族で、イリョンとは幼少の頃から一緒に育つ

薬物中毒であり、チドから薬を買っている

 

 

ホンジュ:

イリョンやソンを「姉さん」と呼び慕ってはいるが歳は上で、マ・ウヒとの家族歴も長い

知的障害を持っており、母さんの役に立たないと捨てられるという固定観念を持っている

マ・ウヒの命令ならば、躊躇なく人を殺す

 

 

 

 

4、あらすじ

 地下鉄のロッカーで拾われた赤子(イリョン)

仁川のチャイナタウンで闇金業を営む”母”(マ・ウヒ)に引き取られることに

母はイリョンのような身寄りのない子供を引き取って育て上げ、自らの指示で放火や殺人など手段を問わず金を取り立てさせチャイナタウンを支配していた

 

ある日、イリョンは母の使いで債務者の男の家に取り立てに向かうのだが、男は海外に飛んでおり息子のソッキョンだけが家に残されていた・・・

純粋で自分の境遇に悲観していない前向きなソッキョンに、次第に惹かれていくイリョンだったが、債務者の男から金を回収出来ないと判断した母はイリョンにソッキョンを殺し、臓器を売ってくるように命じるのだった・・

 

 

5、名シーン(※ここからネタバレを一部含みます。)

 今回の名シーンは

ある日、イリョンと酒を飲む事になり酒に酔ったソッキョン

酔いつぶれたソッキョンをイリョンは、アパートまで運びます

 

いつもは、債権者にも堂々と対応するソッキョンが酔いつぶれた状態でイリョンにこう言います・・・

 

ソッキョン

「すみません」「本当に、すみません」

「貧しいのは、罪ですか?」 「許してください」

 

イリョン:(一度、考えて)

「もちろん罪よ」

 

ソッキョン

「すみません 本当にすみません」「許してください」と繰り返す・・・

 

母から「ソッキョンの何処に惹かれたのか?」と後で聞かれた時、イリョンは「優しかったから・・・」と答えます

 

きっと、イリョンはこのシーンの時に恋に落ちたんだと私は思います

 

「貧しいのは罪ですか?」この言葉の重みたるや・・・

産まれてきた境遇を悲観するのではなく、前向きに考えようと努力はするが、どうしても足枷のようにへばりつく家族が作りあげた境遇

 

そんな苦悩をイリョンが一緒に分かちあったこのシーンが、今回私が選ぶ名シーンです

 

 

6、感想

 今回の映画、「コインロッカーの女」主演のキム・ヘスとキム・ゴウンの競演を観るだけでも観る価値はあるかな~と思うような映画です。

 

キム・ゴウンさん、失礼な話、私この映画を観るまで知らない女優さんでした。

しかし、演技が上手コインロッカーで見つかり犯罪者に育てられるという数奇な運命の役柄を見事に演じてました。

 

キム・ヘスさんは前回、紹介した「修羅の華」のスタイリッシュな強い中にも儚さのあった女性役と打って変わって、今回の役は裏社会の女ボス、だらしない身体に服装、手入れをしていない肌哉や髪、同じ裏社会の女役でも役がらによってここまで変えるなんて流石は大女優だと思いました。

 

産まれた時からの運命(環境)によって、人は性格や生き方は決まってしまう・・・

選択肢が、それしか無ければ誰でもそうなってしまうのかな?と考えさせられました。(-ω-;)

 

偽物の家族関係でも、本物の家族でなくても絆は出来るのだという事も思える映画。

最後の母と娘の対峙するシーンの名演技も見所ですので、どうぞ鑑賞してみてください。

 

 

 

7、この映画・・・こんな人にオススメ!

  •  バイオレンスが好きなひと
  • 刺激の欲しいひと
  • 娯楽映画が好きなひと

 

 

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